
ある町の広場。
村娘スワニルダは、恋人フランツの様子がおかしいことに気づく。フランツが、人形師コッペリウスの家の窓辺にいつも座っている美しい娘コッペリアに夢中になっているらしいのだ。コッペリアは本を読むばかりで、声をかけても返事をしない。スワニルダは嫉妬と不安を募らせる。やがてコッペリウスが外出した際、家の鍵を落とす。好奇心に駆られたスワニルダは仲間の娘たちとともに、こっそりコッペリウスの家へ忍び込むことにする。一方フランツも、梯子を使ってコッペリアに会おうと窓から侵入を試みる。

Coppélia
人形に恋した青年と、機知で恋を取り戻す娘の陽気な騒動。

ある町の広場。
村娘スワニルダは、恋人フランツの様子がおかしいことに気づく。フランツが、人形師コッペリウスの家の窓辺にいつも座っている美しい娘コッペリアに夢中になっているらしいのだ。コッペリアは本を読むばかりで、声をかけても返事をしない。スワニルダは嫉妬と不安を募らせる。やがてコッペリウスが外出した際、家の鍵を落とす。好奇心に駆られたスワニルダは仲間の娘たちとともに、こっそりコッペリウスの家へ忍び込むことにする。一方フランツも、梯子を使ってコッペリアに会おうと窓から侵入を試みる。

コッペリウスの工房。
忍び込んだスワニルダたちは、棚にずらりと並ぶ等身大の自動人形に驚く。そしてコッペリアもまた、命のない精巧な人形にすぎないと知る。そこへコッペリウスが戻り、娘たちは逃げるが、スワニルダだけがコッペリアの衣装をまとって隠れる。続いて侵入したフランツはコッペリウスに捕まり、酒を飲まされて眠らされてしまう。コッペリウスはフランツの生命力を人形コッペリアに移し、命を吹き込もうと魔術書を広げる。コッペリアに化けたスワニルダは、人形が動き出したように振る舞い、老人をからかいながら工房を混乱に陥れ、目覚めたフランツとともに逃げ出す。

町の祝祭の日。
新しい鐘の奉納を祝う式典が開かれ、スワニルダとフランツの仲直りと結婚も祝福される。怒って現れたコッペリウスには、領主が金貨を与えてなだめる。広場では「時の踊り」をはじめ、「祈り」「曙」「仕事」「結婚」など、さまざまな主題のディヴェルティスマン(余興の踊り)が次々に披露される。若い二人の門出を中心に、村人たちの華やかな群舞で全幕は幸福のうちに幕を閉じる。
本作最大の見どころ。コッペリアに変装したスワニルダが、ぎくしゃくとした人形特有の動きから、徐々に「命を得た」かのように滑らかに踊り出す。機械人形のコミカルな所作と本物の人間らしさを演じ分ける高度な演技力が要求され、バレリーナの表現力が試される名場面。
人形師コッペリウスはマイム(無言劇)中心の重要な役。自作の人形に命を吹き込もうとする偏屈な老人で、スワニルダにからかわれて翻弄される。技巧よりも演技と間で笑いを生む役どころで、ベテラン男性ダンサーが好んで演じる名物キャラクターである。
祝祭の場面では「時の踊り」「曙」「祈り」など象徴的な主題の踊りが連なる。物語の進行から離れた純粋な踊りの饗宴で、ドリーブの華麗な音楽に乗せて多彩なヴァリエーションが楽しめる。主役二人のグラン・パ・ド・ドゥも見せ場となる。
チャイコフスキーが「最も美しいバレエ音楽」と絶賛したと伝えられるほど評価が高い。「マズルカ」や「チャールダーシュ」など民族舞踊の旋律を取り入れ、踊りと密接に結びついた表情豊かなオーケストレーションが、舞台の喜劇性と祝祭感を見事に支えている。





「コッペリア」は、難しい予備知識がなくても楽しめる喜劇バレエの代表作です。物語は「恋人が人形に夢中になってしまい、嫉妬した娘がその人形に化けて取り返す」というシンプルで分かりやすいもの。悲劇の多い古典バレエの中では珍しく、終始明るく笑える内容なので、初めての一本に最適です。注目ポイントは第2幕、スワニルダが人形のふりをしてカクカクと動く場面。「いつ人間に戻るか」を意識して見ると面白さが倍増します。ドリーブの軽やかで耳なじみのよい音楽も魅力で、聞き覚えのある旋律にきっと出会えるはずです。
上演時間・あらすじ・登場人物は上演する版によって異なる場合があります。
観劇の際は、主催者の公式情報もあわせてご確認ください。